なぜオルソフォトが必要か?
航空写真には、地形図には表現できなかった情報が多く含まれています。
そのため、他の地理情報と重ねて利用できればより高度な利用ができます。
航空写真を引き伸ばし、地形図上の明瞭な点で位置を合わせば、一番簡単に重ね合せることが出来ます。
それなりに重なっていますが、拡大してみるとどの場所でも少しずつずれています。
そのため、広い範囲をカバーしようと写真同士を張り合わせても継ぎ目が目立ってしまいます。
どうしてこんな現象が起きてしまうのでしょう?
標高の高い地点はカメラから近いので大きく写り、逆に標高の低い地点は小さく写るため、1枚の航空写真の中でも縮尺がまちまちとなってしまいます。
地形図は正射投影、すなわち図面のどの地点でも真上から見下ろしたと仮定して作図しています。しかし航空写真では、地物は標高によって実際の位置よりずれて写真に写ります。
撮影時の航空機の揺れによりカメラが真下を向いていないため、地物の形状は歪みます。
形状の歪み・位置のずれを決定している数値は、撮影時の航空カメラの位置・航空カメラの焦点距離・撮影時の航空カメラの傾き(三方向)・写っている地物の標高です。
そこで航空写真画像をもとに、正射投影(=地形図)とのずれの量を計算し、地形図と重ね合わせできるよう変換したのがオルソフォトです。